女王の放課後

龍崎麗奈には野望がある――
それは、ファッション誌「プチ・BiBi」でカリスマ読者モデルになり、
滝沢クリステルのようなキャスターになって、
大富豪をつかまえてセレブ界の頂点に立つこと!
その野望のためなら、女を転がす悪い男も、ライバルを蹴落とす醜い女も、
夢見る少女を泣かせる編集長も、みんな蹴散らしてやる。
――それがあたしの女王道やっ!!

男の前では計算されたぶりっ子アピールをしているので、
読んでいて最初はイラッとするかもしれません。
まるでオレの妹は思春期で発情期の葵のような感じです。
他の作品だと、真っ先に天誅を受けるタイプです。
でも、友達を救ったりライバルを救ったりと真っ当な正義感を持っているし、
読者モデルとしても筋トレや観察・勉強などに取り組む真面目さももっています。
何より、決め台詞を言い放つ時の顔が! なんていうか……凄い!
最初は、少女漫画なのにこんなのアリ!? と衝撃を受けました。
でも、だんだんそれが水戸黄門の印籠みたいな、正義のヒーローの必殺技みたいな、
何とも言えずクセになって、とにかくスカッとするんです。

唯一の友達である弘子が、なかなかいいキャラクターですよ。
第一話では、麗奈に憧れて悪い男に貢いでしまいますが、ちゃんと立ち直っています。
麗奈の腹黒い一面も、大きな野望も、そのためにどんなに努力しているかも
弘子だけは全部知っているんですよね。
麗奈も、全部さらけ出せる弘子がいるから自由奔放でいられるのかもしれません。

図書館戦争LOVE&WAR

「メディア良化法」成立より三十年――
「図書館の自由法」を掲げる図書館は、検閲に対抗するために
軍隊並みの武装勢力である図書隊を有する機関となった。
新図書隊員となった笠原郁には、憧れの図書隊員がいた。
それは、高校生の頃に問題図書をかばった自分を、颯爽と助けてくれた“王子様”。
いつか彼を探し出し、「あなたに会うためにここまで来ました」と言う。
そのために、チビ(165cm)で堅物な堂上教官のしごきにも負けず、郁は訓練に励む。

原作は、有川浩の小説『図書館戦争』です。
榮倉奈々・岡田准一での映画化、さらにはアニメ化と人気コンテンツになりました。
漫画だけでもストーリーについていけるので、原作を読んだことがなくても大丈夫。
また、原作の萌えポイントはしっかり押さえられていてファンの人も楽しめます。
むしろ、少女漫画らしく胸キュン要素が強調されているので、
そういうのが好きな人にはたまらない仕上がりになっています!

郁は、高校生の頃に出会った“王子様”に憧れて、本を守る図書隊に志願しました。
戦う女の子っていいですよね! かっこよくて素敵です。
体力・度胸・瞬発力はあるけれど、知性はイマイチな郁。
そんな彼女に厳しいばかりの堂上教官が時折見せる優しい一面……
随所にニヤニヤポイントが満載です
郁の“王子様”は誰なのか?
原作ファンには周知の事実ですが、漫画から入った人もすぐに感づくことでしょう。
でも、王子様の正体が判明してからのジレンマの方が、私は好きですね。
恋って、一筋縄じゃいかないなー……みたいな。

びっちゼミナール

びっちゼミナール」はある塾の裏の名前です。
もともとはある塾講師が開いた個人塾でした。
自分なりの教育をしたいという信念のもと、
貯金をためてやっとの思いで開講した塾です。
しかし、学生たちにとってはそんな講師の想いは通じません。
何とか集めた塾生たちはやる気のない子ばかり。
なかには「親に言われてきたから」と言い放つ子もいます。

普通ならここでがっかりしてしまうのですが、
この塾の塾生はみんな可愛い女の子であったのです。
なんとか彼女たちの成績を向上させようと考えた主人公は、
ある秘策を思いつきます。

それこそがこの塾の裏の名前のもととなったものです。
講師は塾の講義に恋愛要素を取り入れます。
恋愛って若い子たちには効果絶大なんですね。
塾生は優衣のような優しい優等生タイプも
リナのような何を考えているのかよくわからないスポーツタイプもいます。
普通ならいろいろな指導法を考えないといけないのですが、
恋愛式講義はどんなタイプの子にも効果抜群。
恋愛の綱渡り感が緊張感と結びつき、講師はいつも真剣です。
判りやすいほどメキメキと学力をつける塾生たち。
講師としても満足でしょう。
しかし、塾なのでいずれ卒業するときも来ます。
塾生たちも無事志望校に合格して新たな道に送り出す講師。
……と思っていたら、卒業後も彼女らと連絡をとりあうあたり、
ちゃっかりしているなぁ……と思ってしまいます。

わたしに××しなさい!2

雪菜と時雨の恋愛疑似体験は続く。
ミッションその5は、「わたしの恋人のフリをしなさい!」
翌日の放課後、二人は一緒に帰ることになったのだが、
時雨は言葉巧みに雪菜の眼鏡を奪い、復讐のために隠れてしまう。
眼鏡をかけることで他人の視線から自分を守ってきた雪菜は、パニックに――
そこへ助けに現れたのは、地味で引っ込み思案な雪菜のいとこ・晶だった。

ついに! 三角関係が始まりますね!
引っ込み思案な晶ですが、押すとこはちゃんと押すんです。
でも、雪菜は晶の気持ちに全然気がついていないようで……不憫だなあ。
しっかり抱きしめて「ボクが雪菜ちゃんの恋人になる」とまで言ったのに、
雪菜にスルーされてしまって、かわいそうなことこの上ないですね。
一方、時雨の方にも変化が訪れます。
落とした女子のリストが載った生徒手帳という弱みを握られて、
はじめはイヤイヤ雪菜のミッションに従っていた時雨でしたが、
雪菜の弱ったところや拗ねたところを見て、つい「可愛いな」なんて……
疑似体験から始まる恋は、この先どう転がっていくのでしょうか?

人は誰しも、「裏の顔」をもっているものですよね。
いつもニコニコ人当たりの良い時雨は、女子を落としては振る悪い男の顔を。
シンデレラ征服のような意地の悪い部分がいいですね。
引っ込み思案な晶も、雪菜が好きで彼女のために動ける芯の強さをもっています。
人間関係をうまく築けない雪菜は、人気ケータイ小説家としての顔、
さらに他人の視線が怖いという過去のトラウマももっています。
そんなキャラクターのギャップに考えさせられ、時に胸キュンする物語です。

わたしに××しなさい!

「絶対零度の雪女」こと、氷室雪菜は人間観察が趣味。
そんな雪菜の裏の顔……それは、人気ケータイ小説家・ユピナであること。
周囲の人間を緻密に観察して描かれるユピナの小説は、
その正体を知らないクラスメイトたちにも密かに人気なのだ。
しかし、恋をしたことがない雪菜には、どうしても「ラブ」が描けない。
ある日、クラスのイケメン北見時雨の弱みをつかんだ雪菜は、
彼を使って恋の疑似体験をしてみることにしたのだが――

雪菜は、ケータイ小説家としてかなりプロ意識が高いですね。
人間観察が趣味で、それを実際の執筆活動にも活かしているようです。
ヤれる子電車エッチのように周囲のクラスメイトをネタにしているので、
書かれた本人達はそれはそれは共感しやすいことでしょう。
雪菜が恋の疑似体験をしている最中に、
小説に書くための「言葉の種」が浮かんでいる様子が分かりやすいです。
で、それを読みながらこっちまでドキドキしてきちゃいます。
疑似体験だったはずが、雪菜も時雨もお互いを意識しはじめていて、
やがてこれが本当の恋になるような……ドキドキ感がずーっとあります。
そこに、雪菜のいとこで同じ学校に通っている晶が混ざってくるんですね。
普段は長い前髪で顔がほとんど描かれていませんが、
最後のページで見えた晶の顔はこれまたお約束どおり、イケメンです!
これから三角関係が始まるんでしょうか!?

東京カラス

紙袋をかぶった柴犬っぽい生き物が会長を務める「都市伝説研究会」。
会長代理である大島田満子は、シックスセンスがないにもかかわらず
持ち前の運動神経で夜な夜な化け物退治を続けていた。
ある日、満子は黒い翼に鳥の足をした少女に助けられる。
満子は少女に井黒巴という名を授け、女子高生としての人生を与えた。
二人と一匹? になった都市伝説研究会には、今日も奇怪な依頼が舞い込む。

「怪人赤マント」に「ネズミ肉ハンバーガー」、
人の形のシミが浮き出る「幽霊マンション」に「ダッシュ婆」。
一度は耳にしたことがある都市伝説ばかりですが、怖い雰囲気だけではなく
ちょっと社会派な切り口で語られたりして、なかなか見応えがあります。
例えば、ダッシュ婆のエピソード。
介護が必要になり家族から見放されてしまった孤独なおばあちゃんの話になっています。
ギャグ要素の多い会でしたが、少し切なく、考えさせられる一面もありました。

ちなみに、会長の正体は無駄にイケメンな人面犬です。
どんなにイケメンでも、どう転んでもギャグ要因なんですよね……残念。
紙袋をかぶっているときの方が正直カワイイです。
また、巴と名づけられたカラス少女・巴のこともほとんど謎です。
正体不明の怪物と戦いながら、巴や会長のような存在を受け入れる満子は、
とても器が広くて男前ですね。
そういうところが、生家である大島田家との確執を生んだのかもしれません。