カテゴリー別アーカイブ: ホラー

ライトノベル

「1ページでも読み飛ばすと登場人物が3人も死んでいる」と評された人気ライトノベル作家・左々暗龍(ささくらりゅう)。
締切前夜で追い詰められている龍の前に、執筆中の作品の登場人物と同じ名前のミカトという少年が現れた。偶然にも、先ほどミカトが死ぬシーンを執筆したところだった。
ある日、龍の元に気味の悪い写真付きのメールが送られてくる。
特に気に留めなかった龍だったが、やがて奇妙な殺人事件へと巻き込まれていく―・・・

小説に書いた殺人シーンが、まるで予言のようにそのまま現実となっていきます。
かと思いきや、物語はもっと意外で不気味な方向に転がっていきます。
はじめは、龍が書いた「ガゼル」シリーズに出てくるキャラの一人、「イオナ」のコスプレイヤーが殺されたことに始まります。
しかし、小説に書かれた通りに殺されたわけではなく、どちらかといえば稚拙な「見立て殺人」なのです。
何となく不気味な雰囲気が全編に漂っていて、読み応えのアルサスペンスです。

主人公の龍は、自分の作品を好きになってくれた読者を大事に思っています。
暴力表現の多いライトノベル作家にしては、感覚がまともですね。
理不尽に殺された被害者に同情し共感しながら、しかしそんな風に思ってしまう自分を傲慢だとも感じています。
締切直前の龍はかなり気持ち悪かったですが、第一巻読了後の感想としては好感度が高いですね。

東京カラス

紙袋をかぶった柴犬っぽい生き物が会長を務める「都市伝説研究会」。
会長代理である大島田満子は、シックスセンスがないにもかかわらず
持ち前の運動神経で夜な夜な化け物退治を続けていた。
ある日、満子は黒い翼に鳥の足をした少女に助けられる。
満子は少女に井黒巴という名を授け、女子高生としての人生を与えた。
二人と一匹? になった都市伝説研究会には、今日も奇怪な依頼が舞い込む。

「怪人赤マント」に「ネズミ肉ハンバーガー」、
人の形のシミが浮き出る「幽霊マンション」に「ダッシュ婆」。
一度は耳にしたことがある都市伝説ばかりですが、怖い雰囲気だけではなく
ちょっと社会派な切り口で語られたりして、なかなか見応えがあります。
例えば、ダッシュ婆のエピソード。
介護が必要になり家族から見放されてしまった孤独なおばあちゃんの話になっています。
ギャグ要素の多い会でしたが、少し切なく、考えさせられる一面もありました。

ちなみに、会長の正体は無駄にイケメンな人面犬です。
どんなにイケメンでも、どう転んでもギャグ要因なんですよね……残念。
紙袋をかぶっているときの方が正直カワイイです。
また、巴と名づけられたカラス少女・巴のこともほとんど謎です。
正体不明の怪物と戦いながら、巴や会長のような存在を受け入れる満子は、
とても器が広くて男前ですね。
そういうところが、生家である大島田家との確執を生んだのかもしれません。