カテゴリー別アーカイブ: 料理

銀のスプーン

父の三回忌の後、母が入院してしまいます。
たった一週間の検査入院だったはずが、再検査のために入院が長引いてしまい、仕方なく、高校三年生の律が母に代わって弟と妹の食事を作ることになります。
同じ学校に通う倉科夕子にたまたまもらったかつおぶしで、弟妹の好みに合わせた「おかかごはん」を振舞うことになります。
二人の笑顔を見るために、律の自炊生活が始まる――

母の入院から始まる物語ですが、重たい雰囲気は一切ありません。
昼ドラの原作になったそうですが、あんまりドロドロしたシーンもなく、アットホームでほんのり恋の予感もある食育コミックというところでしょうか。
イケメン高校生の律が、スーパーのお買い得チラシをチェックする様子はほのぼのとしていて素敵ですね。
少し年の離れた弟と妹がいる人は、共感しやすいんじゃないでしょうか。

夕子はいわゆる腐女子で、律には恋心というか憧れを抱いています。
あんまり話したことがないのに、いきなりかつおぶしを渡す天然なところもあってなかなか存在感のあるキャラクターです。
また、律の同級生で女運に恵まれないスグルもなんかいいやつですよね。
律の弟・調(しらべ)と妹・奏(かなで)に慰められているところが良かったです。
調と奏は、お母さんが入院していて寂しくないのかな・・・
ていうか、二人とももうちょっと律を手伝ってやれよと思わなくもないですね。
料理以外の家事はどうやってるんだろう。心配だわ。

おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。

知る人ぞ知る老舗花茶屋・一升庵。
美人女将のおせんさんは、自ら包丁を振るい陶芸をも嗜む笠置町の“お姫様”だ。
ある日、地元のよしみでテレビ番組の取材をしたいという打診があった。
おせんの母・大女将がいた頃は、取材は一切断っていたが、
おせんは快く取材クルーを受け入れた。
彼女が振舞ったのは、旬の真鱈を使った鱈ちり鍋。
おせんの“思想”は、手ごわいプロデューサーに伝わるのか――?

『おせん』の連載再開後、サブタイトルがつきました。
でも、メインキャラクターたちも、絵柄も本質も変わっていません。
おせんさんは相変わらずで、料理に焼き物に人情にと、大活躍しています。
着物姿も相変わらず艶やかですし、天然ボケっぷりにも磨きがかかっているようです。

テレビの取材クルーの目を通すことで、一升庵の素晴らしさがよく伝わります。
おせんさんが手ずから作り上げた看板や焼き物などが丁寧に描かれていますよ。
真鱈のフルコースがたまんないですねー! 食べたい!
みぞれ状にした煮こごりを乗せて食べる雑炊、味わってみたいです。
仕込みや調理の手間暇を苦にせず食べる人のことを一心に考えて作るおせんさん。
本当は自分が一番食べたいんでしょうね。
でも、だからこそ最高に美味しくなるというか。
テレビ取材は意外な結末を迎えますが、なんだか爽やかな気持ちにすらなりました。

おせん

知る人ぞ知る老舗花茶屋・一升庵。
その看板であるおせんさんは、自ら包丁を振るい陶芸をも嗜む美人女将。
旅館の跡取りである江崎ヨシ夫は、修行のために一升庵の帳場にやって来た。
到着早々、板場が何だか騒がしい……
何でも、馴染みのご隠居さんが、食道楽で有名な横綱・鳥海山を連れて来たそうで。
はたして、おせんは鳥海山を満足させることができるのか――?

着物を着た艶やかなおせんさんが寝そべっている表紙の雰囲気からして、
時代物かと思いきや、物語の舞台は現代です。
でも、花魁言葉と江戸言葉の混じったような言葉遣いのおせんさんは、
やっぱり一人だけ違う時代に生きているみたいなんですよねえ。
ただ、女性キャラの顔がみんな同じに見えて仕方ないんです……
おせんさんも、江崎の恋人・良子ちゃんも、ライバル料亭の美也さんも、
おんなじ目におんなじ眉毛なんですよね……髪の色形で判断するしかないや。

それにしても、おせんさんの作る料理の美味しそうなこと!
第一話で横綱に振舞った数々の料理も層ですが、
第三話でライバルの美也さんも絶賛したおでんがまた素晴らしいです。
おでんの大根は面取りしてあるもの、と思い込んでいましたが、
面取りしなくても荷崩れしない方法ってあるんですね。
食材を無駄にしないおせんさんの思想にも惚れ惚れします。